エジソンパワートップページ > リチウムイオン電池とは?

偉大な発明家、トーマス・エジソンは色々な発明、発見をしましたが、電気自動車や電池の研究にも優れた業績を残した事は意外と知られていません。
彼は直流送電を標準化して、直流の世界を目指しましたが、彼の夢は実現する事なく今日に至っています。
今日、太陽光発電や電気自動車の普及が高まり、エジソンの夢見た直流世界の機運が世界的に高まって来ています。このページではこのような直流世界を実現するために必要な電池の話を分り易く説明していきます。
昨今、携帯電子機器などの普及に伴い、繰り返し使える二次電池が注目を浴びていますが、その中心的存在はやはりリチウムイオン二次電池です。この画期的な電池が、どのような技術の流れで生み出されたのか、そしてその過程の中で技術的な課題などをどのように克服して今日の実用化に至ったのか。
ここでは、最新のリチウムイオン二次電池の開発にいたるまでの歴史について少し触れたいと思います。
| 年 | 主な発見・発明・出来事 | 備考 |
|---|---|---|
| BC250頃 | バグダット電池 | 世界最古の電池イラク首都・バグダットの遺跡より発見 |
| 1780 | ガルバーニ動物電気 | カエルの体内の電気から発見 |
| 1800 | ボルタ電池 | 電池の原理を解明。科学史上最初の電池 |
| 1836 | ダニエル電池 | ボルタ電池の改良版。水素気体が発生しない |
| 1859 | プランテ式鉛蓄電池 | 鉛蓄電池(二次電池)の発明 |
| 1865 | ルクランシェ電池 | マンガン電池の発明。電解液漏れが問題 |
| 1888 | ガスナー乾電池 | 現在の乾電池の母体。電解液をセメントで固めて液漏れを改善 |
| 1899 | ユングナー式ニッケル・カドミウム電池 | ニッカド電池の発明。鉛蓄電池の4倍の寿命。カドミウムは猛毒 |
| 1901 | エジソンのニッケル鉄アルカリ電池 | ユングナーのニッカド電池に似ているが、カドミウムより安全・安価な鉄を使用した |
| 1948 | ニューマン完全密閉式ニッカド電池 | ニッカド蓄電池の実用化 |
| 1950代 | 扁平形アルカリマンガン乾電池 | 米企業がアルカリ乾電池を開発 |
| 1958 | ハリスの有機電解質 | 金属リチウム電池の研究開始 |
| 1973−75 | 金属リチウム一次電池 | 金属リチウム一次電池の実用化 |
| 1979−81 | 英グッドイナフ & 水島、リチウム遷移金属酸化物の正極使用の特許取得 | コバルト酸リチウム(LiCoO2)正極の発明リチウムイオン電池の事始 |
| 1985 | 炭素質系負極の発見 | リチウムイオン二次電池の発明 |
| 1986 | リチウムイオン二次電池の市場開拓 | リチウムイオン二次電池プロトタイプ完成 |
| 1990− | リチウムイオン二次電池の商品化 | リチウムイオン二次電池の実用化 |
| 1999− | リチウムイオンポリマー二次電池の商品化 | アルミ・ラミネート箔外装二次電池 |
これまで色々なタイプの電池が開発されてきました。マンガン乾電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池などがその代表的なもので、表1はこれらの電池とリチウムイオン二次電池の開発の流れを表しています。
これを見ても分かる様に、リチウムイオン二次電池は非常に新しい電池であると言えます。
世界最古の電池は、今から約2000年前に製造されたといわれるバグダット電池とされていますが、科学史上の最初の電池は、1800年にボルタが発明した電池です。電圧の単位で用いられるV(ボルト)は彼の名から取ったものです。
その後、電極や電解液に様々な改良が加えられ、1865年のルクランシェ電池、その20年後のガスナー電池によって、現在の乾電池の原型が完成されました。
これら一次電池以外にも、充放電可能な二次電池にも長い開発・改良の歴史があります。
主に自動車用のバッテリーとして使用されている鉛蓄電池は、1859年のプランテの電池をもとにし、その後様々な改良が加えられて1900年頃に実用化されました。また、ニッケルカドミウム蓄電池に関しては、1899年のユングナーの発明をもとにして、電池の完全密閉化に色々な改良がなされ、1950年頃に実用化されました。
その一方、高性能なリチウム一次電池に関する開発は比較的新しいものです。
1958年のハリスの有機電解質に関する論文が注目され、アメリカが実用化に向けた研究開発を始めました。
そしてアメリカでは主に宇宙航空・軍事用に、そして日本では民生用に開発され、1970年代前半に実用化されました。
そして、このリチウム一次電池を再充電して繰り返し使いたい、という期待のもと、リチウム二次電池の開発がスタートしました。そして急速に実用化が進んでいます。
このように比較的短期間で開発から実用化まで進んだ理由の一つとして挙げられるのが、高エネルギー密度の新しいエネルギー貯蔵媒体に対する市場の需要が急激に高まったこと。これは技術の進歩に伴い、当然の流れといえます。そしてそれ以上に電極、及び電池周辺素材の開発が急速に進められたことが大きいと言えるでしょう。